ひな人形の選び方

多くのお客様にとってひな人形選びは「初めて」のこと。
あらかじめ決めておきやすいポイントである予算以外で何を基準、どこをポイントに選べば良いのか。
人形のウエダが長年培ってきたノウハウを、分かりやすく皆様へお伝えいたします。
長くお人形に愛情を注げるポイントは、当然メインであるお人形の頭(お顔)です。
屏風や設えにパッと目がいきがちですが、お人形のお顔こそじっくりと選んでいただくことで、納得のお人形選びになります。
美人顔と言われる切れ長の目が特徴のお顔です。現代顔とも言われるぱっちりとした目のお顔です。
ひな人形の二大ブランドである「久月」と「吉徳大光」、
使用されるオリジナル頭(お顔)は、品質の良さはもちろん、
表情の特徴にも選ばれる理由があります。
久月のオリジナル頭は美人顔と呼ばれるお顔立ちです。
お雛様が朗らかで美しいのはもちろんですが、
実はお内裏様がハンサムと言われ人気です。
吉徳のオリジナル頭は、幼顔が多く見られます。
やさしい雰囲気、幸せな顔立ちなどふっくらとした表情に、
毎年出会うことが楽しみになると言われています。
品質の差? 頭のつくり
頭(かしら)と呼ばれる、ひな人形の頭部は、製法により名称の差があります。
桐塑(とうそ)頭と呼ばれる、固めた桐の粉に、
ハマグリやカキの殻でできた胡粉(ごふん)という粉を重ねて塗って仕上げた超高級雛人形とされます。
が、保存品質管理が難しく顔にひびが入るなどのデメリットもあげられています。
現在最も多いのが石膏(せっこう)頭と呼ばれる石膏を使用して基を作り胡粉で仕上げる頭です。
量産品と思われがちですが、仕上げ時に職人手作りの技が使用され、桐塑と比べても作りに遜色のない品質です。
桐塑と比べ品質管理容易で人気があります。
また最近では廉価なひな人形用に、プラスチックや、プラスチックに胡粉を塗った頭もあります。
多くは石膏頭を本頭と呼びますが、
ネット上では桐塑頭を本頭と呼ぶなどの混同もみられるためウエダでは本頭表記はしていません。
お人形は気に入ったけれど…なんとなく華やかさが足りない?
やさしい印象だけれどインパクトが薄い…?
ひな人形を選ばれる時に、
来店いただいたお客様が目を留められるポイントと迷ったときの重要なキーワードを意識していただく事で、
後悔しないお人形選をしましょう。
まず目に入るのは屏風
昔ながらの金屏風には、お人形の持ち主である女の子の未来を明るく照らすという意味が込められていると言われています。
近年では、塗りや淡いピンクなどの地色におめでたい柄を合わせたものも多く、
いずれの図柄もお子様の将来を願う意味が込められています。
桜は華やぎだけでなく吉祥文(おめでたい文様)とされます。手まりは女児の生き生きとした成長を願った吉祥文とされます。
流れ続ける水の文様は、未来永劫を意味し縁起の良い文様。梅は冬に花を咲かせるので強い=長寿の象徴とされる柄。
台座・ケースの色は…?
特に段飾りやケース飾りでは目に飛び込んでくる面積が多いため印象に直結します。
黒やワインなどはっきりとした色を選ばれる傾向が、比較的高いようです。
お雛様・お内裏様のお衣装
ひな人形の全体の色バランスの中でやはり気になるお衣装の色。
色の重ね方や同じ赤でも「朱」「緋」など、ほんのわずかの差でぐんと印象が変わってきます。
以前は変わり色の個性的なお衣装が多かったですが、
近年は暖かなパステル調、そして最近はお内裏様は紺・お雛様は赤へと流行も移り変わっているようです。

絞った商品を見比べ、悩まれるケースがよくあります。
そのときに私の口から出るのが先代から譲り受けたこの言葉。
実は三人官女のいる商品では三人官女の印象でその商品の印象がぐんと変わってきます。
ほんの少しの色の差ですが、
ここを見ていただけるといつまでも気に入っていただけるひな人形選びとなります。




もちろん飾る場所・しまう場所、
あらかじめ決めてから購入されますが、意外と盲点が。
ご購入いただいたお客様からの声、
お人形業界でのお話しまで含めてメリット・デメリットをお伝えします。
親王飾り

- 同じ価格と比較すると上質なお人形を選べる
- 飾り付けが楽
- 収納時も比較的コンパクト
- 近年人気が高く、種類が豊富
- 段飾りと比べると全体のインパクト・豪華さに欠ける
- 飾る時に高さのある台が欲しくなる
収納時もそれぞれが比較的コンパクトで、
出し入れするものの数が少なく簡単に飾りつけ・収納ができます。

三段飾り

- お人形・お道具共に一通り揃うので豪華
- 親王飾りへ飾り換えすることができる
- ある程度の収納場所は必要
- コンパクトなサイズのものは、思いの外お人形が小さい
長く飾る間に、親王様と台座・屏風・簡単なお道具のみだして飾り付ける方法へと変更していくのもまたひとつの魅力です。
その際は赤毛氈などで華やかさをプラスするとよりお楽しみいただけます。

収納飾り

- 台座が飾り台になる
- 収納時に箱の上に荷物を置いても大丈夫
- ひと箱が大きく重いので、一人で持ち運びできない事がある
- 収納時にお人形を横に寝かせて入れる場合がある
親王飾り・三段飾りを見ていただければ分かるように、物量は変わりません。
それらすべてを一箱に入れるということは大きさと重さが一気にかかってくるということになります。
ひとりでの出し入れが非常に困難であるというお話をよく伺います。
またデメリットで述べましたが、狭い収納スペースへ詰め込むためにお人形が横倒しになる場合もあり、
後でお人形を別の桐箱へ入れ替えられたお客様もいらっしゃいます。
特に収納三段飾りの箱は大きく、
化粧箱に入れ納品されるときに集合住宅の入り口から入らなかったので
窓から入れなければならなくなったケースもありますので十分にご注意ください。
お人形業界では昨今、収納三段飾りに関してデメリットをきちんとご説明するようにという流れで進んでおります。

収納飾り
同じに見えるのに…どうしてこんなに値段が違うの? というお声をいただきます。
各メーカーやブランド・職人さんによって様々なこだわりがあります。
ステップ1で述べた頭(かしら)の作りはもちろんですが、お衣装が正絹(しょうけん)であるか、文様が刺繍なのかプリントなのか…。
お道具にもこだわりをもつブランドもあれば、デザインにこだわりをもつブランドもあります。
すべての質を最上に求めれば良いものになるかもしれませんが、その際の価格は驚くほどのものとなってしまいます。
メリット・デメリット…お客様が気に入るポイントを見つけ、末長く愛していただけるお人形を選んでいただけることが最上だと考えております。